2台の時計を突き合わせたら、どこまで一致したのか?

時計の正確さを確かめるために研究チームが取った方法は、とてもシンプルです。
同じルテチウム時計をもう1台作り、2台を互いに突き合わせたのです。
論文の共同筆頭著者であるカイル・アーノルド氏は「『時計を1つ持つ人は時刻を知っている。時計を2つ持つ人は決して確信が持てない』という冗談めいた言い回しがあります」と話します。
そのうえで「これは要するに、標準の正確さを確かめる唯一の方法が、時計同士を比べて再現できることを示すことだと教えてくれているのです」と続けます。
研究チームは「相関分光法」という手法を使い、2台の時計の刻みを11回、合わせて200時間にわたって比べました。
まず、2台それぞれの正確さを詳しく見積もったところ、どちらも不確かさが約1×10⁻¹⁹に収まっていました。
これは周波数を19桁目の水準まで押さえ込めたことを意味し、光原子時計として報告されている中で最も小さい値だといいます。
そして2台を突き合わせると、両者の周波数の差はほぼゼロで、5.7×10⁻¹⁹という不確かさの範囲で一致しました。
これは、これまでに報告された時計同士の比較の中で最も精密なものだといいます。
研究チームは、測定を重ねればこの不確かさはさらに小さくできるとしています。
しかもこの正確さは、室温で動く実用的な装置で達成されたものです。
研究チームは、これまで記録を持っていたイッテルビウム、ストロンチウム、アルミニウムの時計の性能を、ルテチウム時計が上回ったと報告しています。
バレット氏は「今あるものが世界で最も正確な時計だと確信しています」と述べ、「将来、この時計がどうすれば打ち負かされるのか、私には想像できません」とまで語っています。



















