布をかけたイチゴは葉ばかり茂ったのか?

研究チームはトンネル圃場でイチゴを育て、布をかけた区画とかけない区画を比べました。
イチゴは秋から春までの3つの季節をかけて育ち、そのあいだの実のなり方や株の育ち方が調べられました。
その結果、布をかけたイチゴでは、収穫できる実が布なしの3.56倍に増えていました。
実の数も実の重さも、布をかけていない株より有意に多かったのです。
一方で、葉や茎といった実以外の部分の量(栄養体のバイオマス)には差が見られませんでした。
つまりイチゴは、葉ばかり茂らせたのではなく、実をたくさんつけていたことになります。
心配されていた避陰反応も、この立体の布の下では起きていませんでした。
オラウイ氏は「布は光が届くのをまったく妨げておらず、実の生産は大きく増えました」と振り返っています。
では、なぜここまで実が増えたのでしょうか。
手がかりのひとつが、布の下の温度です。
布をかけた区画は、かけていない区画より一貫して温度が高くなっていました。
それでいて、相対湿度には布の有無による違いが見られませんでした。
オラウイ氏によると、3つの栽培シーズンを通じてこうして温められたことで、布をかけた株は布なしの株より早く、実をつける段階へ進んだといいます。
植物が実をつける段階まで育つには、一定量の暖かさの積み重ねが必要です。この量は「生育度日(growing degree-days)」として計算されます。
オラウイ氏は、布をかけた株には各段階を進むのに必要な暖かさが最適な形で与えられ、布なしの株よりはるかに多くの実をつけたと説明しています。
布は一見イチゴを覆い隠すものに見えますが、実際には光を通しながら暖かさを届ける、ちょうどよい上着のような役割を果たしていたようです。





















