アブラムシは通さず、風と水は通す布

この布のもう一つの役目が、虫よけです。
布は空気や水を通すすき間を持ちながら、実験室での試験ではアブラムシを完全に締め出しました。
また予備的な調べでは、根のまわり(根圏)の細菌の量に、布の有無による有意な差は見られませんでした。
オラウイ氏は、虫を寄せつけないことで、この布が農業で使われる従来の農薬の必要を減らせる可能性があると述べています。
大学の発表でも、イチゴ畑での水や農薬の使用を大きく減らせる可能性があるとしています。
もっとも、今回の結果はトンネル圃場での試験によるものです。
研究チームは、この布がさまざまな作物で、また地域の異なる場所でも役立つかを確かめるには、これから実際の農場での試験が必要だとしています。
共著者のR・マイケル・ロー教授は、ボディアーマーを快適にするための胸当ての布づくりから始まり、試行錯誤を重ねてこの製品にたどり着いたと振り返っています。
ロー教授は「始めたときには、こうなるとは予想できませんでした」とも語っています。
兵士のボディアーマーを快適にするための布づくりから始まった研究が、いまはイチゴの株を守り、実りを後押ししているのです。
作物を守る工夫は、農薬や水やりだけでなく、「何を着せるか」という身近な発想からも生まれるのかもしれません。
冬の朝に毛布から出られない私たちの気持ちも、イチゴならきっと分かってくれそうです。





















