砂糖の配給を長く経験した人の「心」はどうなっていた?

参加者は平均で約15.7年間追跡され、その間に全体で2776人が不安、3147人がうつと診断されました。
分析の結果、約1000日間配給を経験したグループは、配給を経験していないグループに比べて、不安と診断されるハザード比が0.67でした。これは、診断される危険の度合い(ハザード)が33%低いことを示します。
うつについても、同じグループは診断されるハザード比が0.71で、ハザードが29%低くなっていました。
この分析では、暮らしぶりや生活習慣、健康状態などの違いも考えに入れています。
実際の割合で見ると、追跡期間中に不安と診断されたのは、約1000日配給のグループで5.79%、配給なしのグループで6.28%でした。
うつでは、約1000日配給のグループが6.69%だったのに対し、砂糖の配給が終わった直後にお腹に宿ったグループでは7.23%でした。
また、約635日と約817日配給を経験したグループでも、不安とうつのリスクはともに低くなっていました。
一方で、お腹の中にいた期間だけ配給を経験したグループと、生後6か月ごろまでだけ配給を経験したグループでは、配給なしのグループとの間に差は認められませんでした。
つまり、この結びつきが現れるには、人生の初めに砂糖が少ない期間がある程度長く続く必要があるのかもしれません。
さらに約1000日配給のグループは、甘いものの好みの平均点が5.82点でした。これは、食料の配給がすべて終わったあとにお腹に宿ったグループの6.04点より低い値です。
では、大人になって甘いものをあまり食べないことが、心の健康につながっていただけなのでしょうか。
チームが大人になってからの砂糖の摂取量なども考えに入れて分析し直したところ、不安とのつながりは変わらず残りました。
原因と結果の道筋を統計モデルで調べた分析でも、配給期間の長さから不安へと直接つながる関係が確かめられています。
その一方で、うつとのつながりはこうした分析では弱まり、統計的にはっきりしたものではなくなりました。
うつについては、大人になってからの要因で一部が説明できるようだと研究チームは見ています。
サリー大学のノファー・ゲイフマン教授は、UKバイオバンクの規模の大きさのおかげで統計的に力の強い研究になったと述べ、不安とのつながりは「とても興味深い」ものだったと語っています。
研究チームは結論で、人生最初の1000日の砂糖の配給が、大人になってからの不安のリスクの低さと「関連していた」という言い方をしています。
そのうえで、人生の初めの環境が心の病気のなりやすさを形づくるうえで大切であり、栄養が不安に負けない力を与えている可能性があると指摘しています。
甘いものは子どもの歯や体だけでなく、大人になってからの心の調子とも、思いのほか長い糸でつながっているのかもしれません。
とはいえ今夜のケーキを我慢しても、赤ちゃん時代までさかのぼってやり直せるわけではないので、ほどほどに楽しみましょう。



















