サイコパス傾向が強い人で多かった「ある細菌」とは?

まず研究チームは、アンケートの点数をもとに、コンピューターで参加者を4つのグループに分けました。
グループは、サイコパス的な特性と不安の強さの組み合わせによって分かれています。
予想どおり、サイコパス的な特性の点数が高い人ほど、共感の点数は低い傾向にありました。
次に細菌を調べると、腸でも口でも、細菌の多様さを示す指標には、4つのグループの間で統計的に意味のある違いは認められませんでした。
ただし、細菌の構成の違いを比べる分析では、サイコパス的な特性の点数との間に統計的に意味のある関連が見られました。
そして特定の細菌の量に目を向けると、性格との関わりが見えてきました。
腸では、アリソネラ(Allisonella)とプレボテラ(Prevotella)の仲間、そしてクロアシバシルス・エブリエンシス(Cloacibacillus evryensis)という細菌が多い人ほど、サイコパス的な特性の点数が高くなっていました。
特に、行き当たりばったりの生活や感情の冷淡さが強い人で、これらの腸内細菌が多く見られました。
反対に口の中では、トレポネーマ・ビンセンティイ(Treponema vincentii)という細菌が、点数の高い人ほど少ないという結果になりました。
このほか、腸のルミノコッカス科DTU089という細菌も、グループの間で量に違いがありました。
では、これらの細菌はどうやって脳や行動と関わりうるのでしょうか。
アリソネラは、免疫の反応や炎症を引き起こす物質であるヒスタミンを作ることが知られています。
体の中で長く続く炎症は、ストレスの信号を脳に送ることがあり、それが気分や行動に影響することも多いとされます。
クロアシバシルス・エブリエンシスは、GABA(ギャバ)という物質を腸で作れる遺伝子を持っています。GABAは脳でブレーキ役の信号として働き、衝動や自制心の調整を助ける物質です。
プレボテラについても、脳が感情や感覚の刺激をどう処理するかの違いと関わりがあることが、以前の研究で指摘されてきました。
ただし、これらは細菌の知られた働きから考えられる道筋で、今回の研究で確かめられたわけではありません。























