便に多かったブドウ糖とタウリンが示すもの

研究チームはさらに、便と血液に含まれる200種類を超える分子を調べました。
その中で目立ったのが、便に含まれるブドウ糖(グルコース)とタウリンの2つです。
どちらも、サイコパス的な特性と不安がともに高いグループで多くなっていました。
また、便のブドウ糖とタウリンが多い人ほど、反社会的なふるまいや人を操る傾向の点数が高いという関係も見られました。
ブドウ糖は体の主なエネルギー源で、腸にはそれを感じ取って脳に知らせるセンサーがあります。
便にブドウ糖が多いことは、食べ物からエネルギーを取り出して血液に吸収する働きに乱れがあることをうかがわせます。
過去の研究でも、サイコパス的な特性が強い人の脳では、ブドウ糖の使われ方にふつうと違う点が見つかっています。
タウリンは主に肝臓で作られるアミノ酸で、脳の発達や不安の調整に関わっています。
ふだんは胆汁の成分(胆汁酸)とくっついて脂肪の消化を助け、その後、腸内細菌によって切り離されます。
便に切り離されたタウリンが多いことは、腸が栄養をうまく吸収できていないか、特定の細菌が増えすぎている可能性を示すといいます。
研究チームは今回の結果について、腸と口の細菌と、診断がつくほどではないサイコパス的な特性とを結びつける新しい証拠だとしています。
ただし、この研究はある時点で多くの人を一度に調べたもので、示されたのはあくまで「関連」です。
細菌が性格を決めているとまでは言えず、お腹の検査でサイコパスかどうかを見分けられるわけでもありません。
それでも、複雑な性格を理解する手がかりが、脳だけでなくお腹や口の中にも眠っているかもしれないという視点は、とても新鮮です。
私たちの「性格」は、頭の中だけで完結しているものではないのかもしれません。























