psychology

「恋人がサイコパス」だった時の見分け方とは

2018.12.09 12:01:14 Sunday

Point
・サイコパスは100人に1人いるとされ、その大半は犯罪者ではなく、私たちとともに暮らしている
・サイコパスが罪悪感を感じないのは、道徳意識や感情コントロールをする「前帯状皮質」の働きが不活発であるため
・サイコパスは、「ガス・ライティング」という心理テクニックを使い、相手を疑心暗鬼に陥れる

底抜けに優しくて頼りになり、ユーモアもある先生が、実は生徒を大量殺害するサイコパスだった…

というのは『悪の教典』の話ですが、もしあなたの恋人がサイコパスだとして、あなたは見抜けますか? ハッダーズフィールド大学で心理学を教えるCalli Tzani Pepelasi氏が、“The Conversation”でその見分け方を教示しています。

多くの人が、サイコパスというと連続殺人犯や死体性愛者のような人を思い描いていますが、実際は違います。研究者の統計では100人に1人はサイコパスの特徴を示すと言われ、その大半は犯罪を侵すことなく、ごく普通に私たちの中に紛れて一緒に暮らしているのです。それでは、一体サイコパスをどのように見分けたら良いのでしょうか。

サイコパスは一般的に、反社会的な行動を取り、共感能力に欠け、過度に自己中心的な特性を示すといわれています。しかし逆にポジティブな側面もあり、例えば、細かいことに気がつきやすく、人の心を読む能力に長け、言葉巧みに会話できるのです。

軽々と嘘をつく

サイコパスの恋人とつき合っている際、一番目につきやすいのは「病的な嘘をつく」ということ。サイコパスは、自分の行動を隠して、目的を達成するためには、どんな状況下でもパートナーに繰り返し嘘をつきます。ただし、サイコパスは虚偽の物語をうまく作り上げるため、見分けるのはそう容易なことではありません。

自信家

また、サイコパスは自分に対する評価が極度に高く、自分に絶対の自信を持っています。それゆえ、ナルシストな性格を示すことが非常に多いのです。

もしあなたが自分に自信を持てず弱みを見せたりすると、すぐにあなたの心を支配しようと動き出すでしょう。そして彼らは「ガス・ライティング」と呼ばれる心理テクニックをよく使うことで知られています。

「ガス・ライティング」とは、心理的虐待行動の一種で、相手に嘘の情報を与えることで、相手自身の記憶や正気をあやふやにさせるというものです。これにより、相手は心理的に混乱し、蝕まれ、過度な自己疑念を抱くようになってしまいます。

最終的に同情を誘う

サイコパスは自分の操りがうまくいかないことがあると、怒りをあらわにし、口数も多くなり、繰り返し同じ会話をするようになります。そして、最終手段として彼らは哀れみのこもった子犬のような目をすることで、自分を同情するように恋人を仕向けるのです。

サイコパスの脳の仕組み

研究者は、彼らに罪の意識や悔恨の念が欠けているのは脳の構造が原因だと説明します。サイコパスの特性を持った囚人を対象に行った調査では、脳の「前帯状皮質(anterior cingulate cortex)」の動きが微弱であることが分かっています。

この脳領域は、道徳意識や感情のコントロールに有用な役割を果たす場所。ここが不活発であることで、彼らは自分が嘘を付くことに何の罪悪感も感じないのです。

「サイコパスには共感の能力が欠けている」と前述しましたが、実は知的レベルでも感情的レベルでも、彼他人に共感すること自体は可能です。ただ、彼らにはその共感を無視できる能力があり、まるでスイッチをオン/オフするかのように選択できるのです。

次ページあなたの恋人は、あなたを困らせ、支配しようとしていませんか?

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