「不安を書き出す」「ストレス反応のメリットを認識する」
ロゼックらは、生徒たちを4つの群に分けました。対照群の生徒は、試験前の不安を単に無視するように指示されるだけです。そして3つの実験群のうち、あるグループは、試験前の不安な気持ちについて書き出しました。これは、試験に集中するために頭の中を綺麗に整理するための心理手法です。別のグループは、「脈が速くなる」、「手のひらに汗をかく」といったストレスに対する生理反応が集中力を助けることを解説した記事を読みました。残りのグループは、これらの両方を行いました。
その結果、実験群に属する205名の低所得層の生徒のうち、実に82パーセントに相当する168名が試験に見事合格。対照群に属する80名の低所得層の生徒のうち、試験を通過したのが49名(61パーセント)だったことに比べれば違いは歴然です。不安な気持ちを書き出す方法、不安を抱くことが合理的なことを説く記事を読む方法、これらを両方を行う方法のどれもが、同様の効果を示しました。