医薬品の使用は天秤にかけて「利益」の大きい方を
ただ、マイナスな感情がプラスに働くからといって「精神安定剤や抗うつ剤などを用いるべきではない」と言う訳ではありません。
これは、熱や風邪のような病における対処法と同じで、身体自身に備わる「防衛機制」…咳や熱、下痢、嘔吐…に任せるか、「医薬品」を使って治療するべきかは、より利益の大きい方を選ばなければなりません。
軽い不安症程度であれば、そのまま放っておいても気持ちのリセットになりえます。ただ、重度の精神病の場合は、精神安定剤などを使って対処する方が命を守る手段として圧倒的に利益が大きいでしょう。
精神疾患を宣告されると「自分は異常だ」と不安がる患者が多いのですが、ネガティブな心理が私たちを助けてくれることも多分にあるのです。ネッセ氏は精神病について「あなたの中で何かが壊れていくのではなく、心があなた自身に語りかけようとしている証だ」と話しています。