
■地球外知的生命体が、自らの存在を地球人から意図的に隠しつつ、地球人を観察している可能性が示された
■もし地球人が地球外知的生命体の存在を知れば大混乱が生じる可能性があるので、それを避けるため
■電波信号の発信のように能動的なアプローチを取ることで、地球外知的生命体の反応を引き出せるかもしれない
果たして宇宙人は存在するんでしょうか?
人類は長い間、この謎を解明しようと試みてきましたが、地球外生命体の存在はいまだ証明されていません。ですが、そのことは、彼らもまた、地球で暮らす私たちの存在に気づいていないことを意味するわけではありません。
Messaging Extraterrestrial Intelligence (METI) Internationalは、地球外生命体との交信を目的とする非営利団体です。彼らはつい最近、パリで開催されたワークショップの中で、地球外知的生命体が、自らの存在を地球人から意図的に隠しつつ、地球人を観察している可能性を発表しました。
もし私たちが彼らの存在を知れば大混乱が生じる可能性があるので、それを避けるためなのだとか…。もしそれが本当だとすれば、「巨大な動物園」の檻に入れられた私たちが、檻の外の宇宙人から生態を密かに観察されているようなものでしょう。

ワークショップの司会を務めたジーン・ピエール・ロスパール氏は、「それはまるで、私たちがその存在に気づき、文化的混乱が生じることを恐れた宇宙人が、『天文学的規模の検疫』を行っているようなものだ」と、語っています。
地球上の認知の進化は、予測可能な進路をたどっています。それを踏まえれば、必要な条件さえ揃えば、宇宙のどこであっても知的生物が存在したとして不思議ではありません。
また、地球人の認知レベルが現時点で頂点に達していると考える理由はなく、これから先さらに認知機能が発達する可能性もあります。そして、それは地球外でも同じことです。
より能動的なアプローチで地球外知的生命体にアピール
もしこの説が本当だとしたら、一体どうすれば、私たちは彼らと接触することができるのでしょうか?
METIの会長を務めるダグラス・ヴァコック氏は、このことを、動物園の檻の中のシマウマが突然、見物客や飼育員の方にじっと目を向けて、蹄で電卓をパチパチと弾き始めることに例えています。それほど極端かつ意外な行動に出れば、「観察者」の方からも何らかの反応があるかも?

科学的アプローチとしては、近隣の天体へ電波信号を発信する方法があります。1974年に米国のアレシボ電波望遠鏡から約25,000光年離れたヘルクレス座の球状星団M13に向けて送信された「アレシボ・メッセージ」のように、1970年代初頭にはこうした取り組みが何度も行われました。アレシボ・メッセージは、太陽系外の天体をターゲットとしたものとしては電波による最初のMETIの例です。
「シマウマの反撃」のように、私たちもより能動的なアプローチを取ることで、地球外の知的生物にアピールすることができるかも!?粘り強くトライし続けるしかありませんね。