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宇宙人が見つからないのは「宇宙ゴリラ効果」のせいと科学者が主張

2018.04.13 Friday

何かに集中していると、びっくりするほど周りに注意が払えないもの。私たちも「宇宙ゴリラ効果」というパワーワードにつられて他のものが見えなくなってしまいそうですが、実はその現象と宇宙人探索が関係しているとしたら…?

The cosmic gorilla effect or the problem of undetected non terrestrial intelligent signals
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S009457651731706X#

「注意が向けられていない事象を見落としてしまう」現象を、認知心理学用語で「非注意性盲目」といいます。これを立証するため、1990年台にアメリカの心理学者クリストファー・チャブリス氏とダニエル・シモンズ氏は「見えないゴリラ」という有名な実験を行いました。

被験者は白いユニフォームと黒いユニフォームを着た2チームがバスケットボールをしている動画を見せられ、白いユニフォームのチームが交わしたパスの数を数えてもらいました。動画の途中では、ゴリラのコスチュームを着た人が現れて、ジェスチャーでアピールします。しかし視聴後、被験者の半分はゴリラに気づかなかったのです。結果、非注意性盲目を証明した実験となりました。

この心理現象を引用し、スペインのカディス大学神経心理学者ガブリエル・デ・ラ・トーレ氏らは、「宇宙人を見つけられないのは、この人間心理の性質が原因だ」という新たな研究を“Acta Astronautica”誌に発表しました。宇宙からのシグナルは、単に科学者たちが探している方法とは異なっているだけで、実は明確なものなのかもしれません。

研究では137人の被験者に、航空写真の中からビルや道路のような人工物と、山や川といった自然物を見分けるよう指示。冒頭の実験と同様に、その中の1枚に小さなゴリラを忍ばせて、参加者が気づくかどうか調べました。その結果は、90年台の実験と同じく、多くの参加者がゴリラの存在に気づきませんでした

たとえ宇宙生物の兆候が目の前にあっても、未だにそれを見たり特定できないのは、脳によって宇宙に対する概念が制限されているためかもしれません。デ・ラ・トーレ氏は彼が名付けた「宇宙ゴリラ効果」という例をあげて説明しています。「私たちが電波信号を使うからといって、他の文明が同様の方法を使うとは限りません。また使うエネルギー源とそれに対する依存性についても同様です」

彼はこのゴリラ効果の他にも、宇宙人を文明発展度によって3つのタイプに分けています。

タイプ1の文明は、私たちが技術や惑星資源の利用法を誤れば崩壊するかもしれないという意味で、私たちの文明と似たもの。しかし、もし私たちの文明がそのまま十分に存続すれば、タイプ2の文明になります。その頃には、量子や重力、時空を操って、全銀河を探索する能力を持つようになっているでしょう。そしてタイプ3の文明は、論理を超越した不死の存在で構成されており、多次元を横断し、暗黒物質や暗黒エネルギーを扱う、高度に発展した文明です。

宇宙人が見つからない科学的な原因は「リンの不足」だという記事を、以前Nazologyでも紹介しています。しかし暗黒物質を使われたら、さすがにお手上げなわけで…。その分ロマンはありますが、今の技術では決してわからないということにもなり、なんとも複雑な気分になる理論ですね。

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私たちの銀河には人類以外に知的生命体がいない可能性が高いとする研究

via: Newsweek/ translation & text by SENPAI

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