座りすぎは健康にとって害悪だらけ
pigmieさんは今回のチャレンジについて、現代人の座りすぎ生活による健康への懸念が動機になったと話します。
彼は「長時間の座りっぱなしや運動不足は肥満や肥満に関する様々な疾患と関係があるにも関わらず、アメリカ人の多くは1日に平均9.5時間も座っている」と指摘します。
これまでの研究では、1日に6〜8時間以上座っていると心血管疾患や2型糖尿病を含め、様々な疾患の発症リスクが高まることが示されてきました。
他にも長時間の座りっぱなしは、背中や腰の痛み、首や肩のこり、脊椎の機能障害や関節変性など、慢性的な体の痛みを引き起こすことがあります。
座りっぱなしの弊害はそれだけに留まりません。
1日の座る時間が長くなると、頭が悪くなる可能性もあるのです。
米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)は、運動が記憶力の維持に効果的であるという先行研究を受けて、その逆もまた真であるかどうかを調べました。
要するに「座りっぱなしの生活が記憶力を損なうのかどうか」ということです(PLOS ONE,2018)。
研究チームはMRI画像を使って、認知障害や精神疾患のない45〜75歳の健康な成人35名の脳を調べ、自己申告式の質問票により詳細な生活習慣を記録しました。
その結果、週に座っている時間が多かった被験者ほど、記憶力に関わる脳領域の容積が減っていることがわかったのです。
この他にも座りっぱなしの生活は、不安やうつ症状、ストレスレベルの増加など、メンタルヘルスにも悪影響を与えたり、心身の疾患の悪化から全体的な死亡リスクを高めるとされています。
明らかに座りすぎは健康な生活にとって害悪となるのです。
それならとpigmieさんは、立ちっぱなしの生活で体にどんな変化が起きるのか、自らを実験台に調べてみました。