■「笑い」は人間関係や社会的交流を円滑にするための「共同体的な役割」がある■一方で「笑い」の中には脳神経の異常で生じる病的なものもあり、悪化すればうつ病にも
■それでも「笑い」には多くの健康的効果があり、精神を安定させる神経伝達物質を生み、脳内のセロトニンレベルを高める
「笑い」にそんな意味があったとは。
「人間は笑う力を授けられた唯一の動物である」という言葉もあるように、生きていく上で「笑い」は必要不可欠です。
しかし「笑い」がいつも変わらず健全で、ポジティブな意味合いを持つとは限りません。「愛想笑い」やくすぐられて起きる「刺激性の笑い」、ドラッグにより誘発される「不気味な笑い」、精神疾患に伴う「病的な笑い」まで様々です。
今回は「笑い」に関する3つの大きな特徴ー社会性・ダークサイド・健康的な効果ーをご紹介しましょう。
「笑い」の社会的な役割
「笑い」や優れたユーモア感覚というのは、社会にうまく適応するには必須となります。円滑な人間関係を保つには、初対面の人に笑顔で接したり、目上の人に愛想笑いをすることが大いに役立つでしょう。
これは人間に限ったことではありません。サルや霊長類でも、自分の生存を優位にするために「クスクス笑い」を発達させていることがわかっています。
このことから「笑い」には、仲間内の絆を強固にし潜在的な争いを消失させる効果があると言えるのです。しかも「笑い」は、複数人で笑う方が感情的な深みもより一層生まれることが判明しています。
一方で孤独に徹すると「笑い」の回数は必然的に激減していきます。もちろん一人でも笑うこともあるかもしれませんが、街中で見かけるとちょっと不気味です。