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研究者を悩ます「口も腸も無い生物」の生存戦略が判明! 扁平動物Paracatenulaと細菌は完璧に共生関係にあった (2/2)

2019.04.16 Tuesday

前ページ栄養体部に住む細菌の化学合成で栄養たっぷり

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まるで果樹園 完璧な共生関係

縮小したゲノムの単細胞細菌が複数の栄養素を生み、宿主にそれを提供するという共生のかたちは大変珍しく、宿主への栄養の届け方もユニークです。

化学合成を行う共生細菌にエネルギーを依存することが知られている生物は通常、細菌を消化することでその栄養素を得ます。また、そうした細菌は輸送タンパク質を使って栄養を運びます。

ところが、ParacatenulaとRiegeriaの関係には、これらのメカニズムのどちらも当てはまりません。代わりにRiegeriaは、栄養素を小さな液滴のかたちにすることで、Paracatenulaにせっせと食事を提供しつづけます。このためParacatenulaは、Riegeriaを一切傷つけることなく食べ物にありつけるというわけです。

Credit: pixabay

研究チームの1人であるマックス・プランク研究所のハラルド・グルベール・ヴォディッカ氏は、その様子を果樹園に例えています。Riegeriaが絶え間なく実らせる果物をParacatenulaがぱくぱくと食べるイメージで、見た目からは想像もできない、なんとものどかな感じですね。これに対して、細菌が完全に食べつくされてしまう他の共生形態は、トウモロコシ畑での収穫に例えることができます。

その上、Riegeriaが提供する栄養素は余すところなく使われるため、Paracatenulaは排泄器官を持たなくても問題ありません。

両者が欲しいものを手に入れて、どちらも何かを失うことがない共生システムを築いたParacatenulaとRiegeria。持ちつ持たれつのパーフェクトな協力体制ですね。

https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/35515

reference: sciencealert / translated & text by まりえってぃ

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