過去に行くにはどうする?
時間旅行は理論的には可能になっている。
およそ100年前にアインシュタインが「特殊相対性理論」を発表して以来、時間的に前進することはできるのだ。ただこれには光の速度に限りなく近いスピードで移動する必要がある。
そうすれば未来には行ける。だが過去に戻るのは並大抵のことではない。時間遡行はロマンチックなれど、現在の時間軸に矛盾を引き起こしてしまう。
例えば「親殺しのパラドックス」のその代表例だ。
ある人が過去に戻って、まだ結婚する以前の若い祖父に会うとする。もし祖母に会う前に彼を殺してしまったら、時間旅行者の父または母のどちらかは生まれてこない。ということはその人自身も生まれてないことになる。
となると存在しない人が過去に戻ることはできないので、祖父と祖母は結局会うことになる。するとまた過去に戻って祖父を殺そうとする。あとはこれの堂々巡り。