history archeology

コロッセオに「見えざるシールド」が発見される

2019.05.07 Tuesday

Credit: pixabay
Point
■ローマのコロッセオが、メタマテリアルと酷似した構造パターンを持つことが判明
■この構造により、長い間コロッセオは地震による損傷から守られてきた可能性がある
■この構造が偶然か意図的かは不明で、自然選択の結果としてこの構造を持つ建造物が残ってきた可能性も

光を含む電磁波に対し、自然界の物質にはない振る舞いをする人工物質である「メタマテリアル」。

ローマのコロッセオが、このメタマテリアルと非常によく似た構造パターンを持ち、長い間コロッセオを地震による損傷から守ってきた可能性が浮上した。

査読前の論文が「Arxiv」に掲載されている。

Role of nanophotonics in the birth of seismic megastructures
https://arxiv.org/abs/1904.05323#

「透明マント」の材料として最適なメタマテリアル

メタマテリアルが持つ光の波長より小さな構造体は、光学の常識を越えて光の屈折率を自在に操ることができる。

通常、自然界の物質は正の屈折率を持つ。しかしメタマテリアルは負の屈折率を持つため、屈折は光が入ってきた側と同じ側に起こる。つまり、非常に鋭い角度で光が曲がるのだ。

物体をメタマテリアルで覆うと、そこを通る光が曲がるため、中の物体が見えなくなる。すぐ後ろの景色は見えるのに、対象物体は透明で見えない、まさに「透明マント」ような技術が可能になるのだ。

次ページメタマテリアルと免震構造

<

1

2

3

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

歴史・考古学のニュースhistory archeology news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!