偶然?意図的?…それとも自然選択の結果か?
研究チームの一人であるステファン・ブルレ氏がコロッセオの半円構造の写真を見たところ、コロッセオの柱がメタマテリアルの小さな構造体の配置と完全に一致していることがわかった。
しかもローマのコロッセオだけでなく、同時代に建てられた他の円形劇場の基本構造とも類似していたのだ。
古代ローマのエンジニアたちが、意図的にこのような構造を建造物に持たせたというのは少し考えがたい。経験的にこのような建築物が地震に強いことを知っていた可能性はあるが、一種の「自然選択」の結果、こうした構造を持つ建造物が今日に残ったと考えることもできるだろう。
外敵に気づかれることを防いでくれる透明マントのように、建造物を崩壊や損傷から守ってくれるメタマテリアル構造。学校や病院といった公共施設を見えないシールドで覆うことで、都市計画に活かせる可能性も秘めている。
もしこのことを古代ローマのエンジニアたちが知ったら、自分たちの仕事をとても誇りに思うに違いない。