Point
■地質学者が『ゲーム・オブ・スローンズ』のプレート運動を完全再現したアニメーションを作成
■それによると「ウェスタロス」と「エッソス」の両大陸は、約2500万年前に分離していた
■今回のプロジェクトは、地球に大きな影響を与える「プレート理論」に興味を持ってもらう目的を兼ねている
ついに幕を閉じた大人気ドラマシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』。
様々な批評に晒されている本作ですが、なんと作品内のプレートの動きをアニメーションで完全再現するツワモノが出現した。
このプロジェクトを行ったのは、シドニー大学のサビン・ツァヒロヴィク氏とメルボルン大学のジョー・コンドン氏。両氏はドラマ内に登場する「ウェスタロス」と「エッソス」の両大陸に関する地質学的な運動を動画で再構築したのだ。
この試みは単なる好奇心以外に、一般の方にも「プレート理論」の理解を深めてもらう目的があるという。
未来世界を左右する「プレート理論」
まず「プレート理論」とはなんぞや?である。
「プレート理論(プレートテクトニクス)」は一言で言えば、地球上にあるプレートの動きを説明する理論だ。地球の表面は数枚のプレートがパズルのように組み合わさってできており、それが動くことで地質上の変化が起きる。
こうしたお皿の上に乗っかっているのが大陸なので、プレートが動くと必然的に大陸の位置も移動する。いわばプレートはベルトコンベアのような働きをするのだ。
かつて地球上の大陸はすべて、「パンゲア」と呼ばれる同じ1つの大陸に属していた。しかし大陸の下にあるプレートが動くことで、パンゲアが割れて各地に移動し、現在の状態にいたる。
さらにプレートの運動は山脈や海洋を作り出す原因でもある。例えば、1枚のプレートが別のプレートの下に潜り込むことで、盛り上がった部分に山脈ができる。
地震や火山などもこうしたプレートの動きで生じるゆえに、「プレート理論」を理解することはきわめて重要なことなのである。過去の地質運動を理解することで、現在だけでなく未来の動きを知る鍵ともなるのだ。