『ゲーム・オブ・スローンズ』のプレート運動を再現
実は『ゲーム・オブ・スローンズ』の世界観に関する研究は今回が初めてではない。ドラマ世界に登場する不規則な天候を調査した「気候変動シミュレーション」や「地質学調査」などがすでに行われている。
ツァヒロヴィク氏とコンドン氏はこうした試みに刺激を受けて、今回のプロジェクトを始めたという。
プレート運動のアニメーション制作には「GPlates」というフリーソフトウェアが用いられた。これはプレート運動のモデリングを行う実際の研究現場でも使われているものだ。かなり本気度が伝わってくる。
両氏は『ゲーム・オブ・スローンズ』の主な舞台となる「ウェスタロス大陸」および「エッソス大陸」に関する細かな情報ー山脈・森・草原などの位置ーを綿密に調査した。
こうした情報をもとにプレートの収束や衝突の痕跡を特定した結果出来上がったのが、上のアニメーションだ。
両氏によると両大陸はおよそ2500万年前に分断したと考えられ、その際に大陸間に狭い海峡ができたという。ギザギザの赤線はプレートが収束して「沈み込むライン」を示しており、これによって山脈や火山が作られる。
プレートの動きを生で感知するにはあまりにもスピードが遅いが、地球上に暮らす人や生物に与える影響はとてつもなく大きい。火山や地震、津波がその例だ。
両氏は『ゲーム・オブ・スローンズ』をきっかけに「プレート理論」に興味を持ってもらえたらと願っている。