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パイナップルの鎮痛効果の仕組みがついに解明 アメリカ先住民は知っていた?

2019.07.20 08:00:15 Saturday

Credit: pixabay

Point

■パイナップルの茎や実から抽出される酵素「ブロメライン」には鎮痛効果がある

■ブロメラインが、消化管内部に存在するプロエンケファリンの分泌を引き起こすことが判明

■プロエンケファリンは、内因性オピオイド、つまり自然の鎮痛剤として知られるエンケファリンの前身である

パイナップルの茎や実から抽出される酵素「ブロメライン」には、実は鎮痛効果があることを知っているだろうか?

アメリカ大陸の先住民も数百年前の昔からパイナップルの鎮痛効果について知っていたようで、その証拠にヨーロッパからやって来た植民者は、傷の手当てや痛み止めに用いたパイナップルの標本を母国へ持ち帰っている。

ところが、ブロメラインの鎮痛効果がどのようにして生まれるのかはよく分かっていなかった。

ブラジルのサンパウロ連邦大学の研究チームがこのほど行った研究で、ブロメラインが、消化管内部に存在するエンケファリンの前身であるプロエンケファリンの分泌を引き起こすことが明らかになった。

エンケファリンは、内因性オピオイド、つまり自然の鎮痛剤として知られている。論文は、雑誌「Peptides」に掲載されている。

Enkephalin related peptides are released from jejunum wall by orally ingested bromelain
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0196978119300245

モルヒネ級の鎮痛効果

エンケファリンは、神経細胞によって分泌される自然の鎮痛剤だ。プロエンケファリンが、神経組織内部に存在するタンパク質分解酵素と反応することで生まれるエンケファリンは、オピノイド受容体に作用して、まるでモルヒネのような効果を発揮する。

Credit: pixabay

万一ブロメラインが血管内に侵入すると、急激な低血圧を引き起こして死を招くため、直接血中を流れて作用することは考えにくい。そこで研究チームは、腸表面だけで起きる別のメカニズムを通じて、その効果が現れるのではないかとと仮定した。約5年前に行われた「プロエンケファリンは脳以外の領域にも存在する」という発見も、今回の研究の土台になった。

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