
Point
■ビル・ゲイツがバックアップについて、上空に人工雲を作り太陽光を遮る計画が進行中
■人工雲により太陽光を遮断するとともに反射もすることで、地球温暖化を防ぐという主張
■一方で人工雲が大気の流れにより、意図しない地域や国に気候的な混乱や被害を与える危険性もある
ビル・ゲイツが今度は地球温暖化対策に乗り出しました。
世界中で切迫した問題である地球温暖化を止める手段として、ハーバード大学の科学者たちはジオ・エンジニアリングという方法を推し進めています。
具体的には、成層圏(地上11km〜50km)に数百万トンの人工ダストを散布して雲を作り、太陽光を遮断するというものです。
この計画の推進者でもありバックアップを務めるのが、マイクロソフト創設者のビル・ゲイツ氏。なかなかSFチックな作戦で勇気が入りますが、やはり天才にはこの大胆さが必要なのでしょうか。
実施直前で実験を中断
計画は実現可能な段階まで進んでおり、先月には最初の実験が行われる予定でした。
およそ300万ドルをかけた実験は、「スコペックス(SCoPEx:Stratospheric Controlled Perturbation Experiment=成層圏摂動制御実験)」と呼ばれています。
これは、特殊なバルーンを用いて2kgの炭酸カルシウム塵を高度19km地点まで運び、上空に散布するというもの。実験場所はニューメキシコにある砂漠上空が想定されていました。

散布により上空に長さ1.6km、直径90mのチューブ型人工雲が作り出されます。これが太陽光を反射する雲として機能し、太陽熱を宇宙空間に送り返すことで温暖化予防に繋がると言います。
その後24時間の間、バルーンに搭載されたセンサーを通して、太陽光の反射レベルや塵による周囲の大気への影響などを監視します。しかしここまで進んでいながら、スコペックスは干ばつやハリケーンなど、意図しない気候的混乱をまねく危険性があると判断され中止となってしまったそうです。




























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