ガチゲーマーだけがわかるテクニックも駆使
今回の記録達成は、経路計算に高度な科学テクニックを利用したというところばかりがピックアップされるのですが、実際Hamlen博士、かなりゲーム内でも重要なテクニックやセッティングを駆使して、記録達成を実現しています。
このゲームでは、「どの船に」「どういったパーツを組むか」というレース開始以前のセッティングの段階から勝負が始まっています。
高価な船は手に入れるのも大変ですが、このゲームは船を手に入れると今度は維持費もかかります。
ワープ航法というと楽ちんな旅に聞こえますが、このゲームでは中性子星のジェットを利用してワープの距離を伸ばすスーパーチャージという技法があり、これも一歩間違うと大事故を起こすリスクを持った難しい航法なのです。
タイムアタックにはこのスーパーチャージを駆使することも必要で、危険な中性子星ジェットに飛び込む彼の航法は、このゲームの初心者から見るとヒヤヒヤする映像です。
また、このゲームでは恒星のコロナから燃料補給を行います。この燃料補給ユニットも、容量やチャージ速度などでセッティングに悩む部分がありますが、そもそも水素が含まれない恒星からは燃料補給ができません。
こうした中性子星や、燃料補給の可能な恒星をルートに組み込む必要性から、ルート計算が難しくなるという側面があるのです。
そして、Hamlen博士…もとい「CMDR Falken(ゲーム内の博士の名前)」は、船の構成に追加8トンの燃料タンクを組み込んだといいます。
このことについて、CMDR Falkenは「多くのレーサーは余分な重量を問題視しますが、私はジャンプ回数を減らすより、燃料補給のために停止する数を減らす方を重視するアルゴリズムを組みました。今回のレースについては、結果的にそちらが有利に働いたのです」と語っています。
うーん、大人がガチでゲームをやるとこうなるんですね。
CMDR Falkenの最短記録の様子は、下の動画から視聴できます。
なお、彼はこの発表の後、さらにアルゴリズムの最適化とアプローチの最適化を行い、1時間29分という1.5時間の壁を破る記録を達成しています。
CMDR Falkenはおそらくこれが、自分の達成できる最高の記録だろうと語っています。