ネコにはお気に入りの死体がある
人間の腐敗の過程を研究する分解研究施設には、野外に40体もの遺体が置かれていました。
ですが他の動物とは違い、ネコは自分のお気に入りの死体をみつけると、他の死体を食べようとしなかったのです。
最初に現れた「タビー」と研究者が名付けたネコは、79歳の女性の死体の元に毎晩35日間、繰り返しやってきて、食べ続けました。
途中、1週間ほどタビーが食べていた死体の周りに柵が置かれ食べれない時期がありましたが、柵が撤去されると、タビーはまた同じ女性の死体を食べ始めました。
二番目に現れた黒猫は、別の70歳の男性の遺体が好みだったようで、断続的に現れては男性の遺体を食べ続けました。
どうやらネコにとって、お気に入りの死体は、毎晩通い詰めるほどの魅力があったようです。
ネコたちには鮮度にも好みがあるらしく、死体が腐りかけの状態を最も好み、本格的に腐り始めると、食べるのをやめました。
ネコたちは研究所の敷地内に無断で入ってきましたが、完全な野良猫であるという保証はありません。
研究者たちは、死体を食べていたネコたちが、飼い猫の可能性も十分にあると考えています。
ペットとして飼われているネコが、人間の死体を食べているという想像は少し抵抗のあるものです。
しかし、ペットと一緒に一人暮らしをしている人が身近にいる場合は、非常に重要な問題となります。