クラゲサイボーグはエネルギー効率も良い
高速で移動できたとしても、エネルギー消費が大きすぎては意味がありません。その点でも、クラゲサイボーグは良好な成果を挙げました。
クラゲサイボーグのエネルギー消費は、コントローラーシステムによる外部電力とクラゲ自身の代謝による内部エネルギーから成り立っています。
外部電力効率は既存の水泳ロボットの最大1000倍にもなりました。クラゲの筋肉に信号を送るだけですので、外部電力は微量で済んだのです。
また、約3倍もの速度で泳いだにもかかわらず、クラゲ自身の内部エネルギー消費量(酸素消費量)は2倍になるだけで済みました。
クラゲサイボーグは水泳速度を増しつつ、高いエネルギー効率を維持できたのです。
この実験により、クラゲの潜在的な能力が明らかになりました。
また、バイオハイブリットロボによる研究が進むことにより、生物全体の研究も前進すると考えられます。バイオハイブリットロボを活用したり、模倣したりすることで、より効率的な水中車両を生み出せるかもしれません。
ちなみにクラゲは、コントローラーが外された後、自然治癒して通常の水泳が可能になったとのこと。クラゲには痛覚がありませんし、ストレスを感じた時に分泌する粘液も出なかったようです。