biology

カエルの生きた細胞だけを使った「生ロボット」の作成に初成功

2020.01.14 19:00:12 Tuesday

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画像は4本脚版のゼノボット。大きさは1mm程/Credit:PANS
point
  • 100%生きている細胞で生体ロボット「ゼノボット」が開発された
  • 細胞は全てカエルの受精卵から採取された
  • ゼノボットは人間のプログラムした以外の行動が行えず、プログラムを死ぬまで忠実に実行する

用途別にプログラムと再設計が可能な生体ロボットは、これまでSFの専売特許でしたが、ついに現実世界でも実現しました。

100%生きている細胞からできており、プログラム通りに自律運動が可能な生きてるロボット「ゼノボット」の開発に成功したのです。

ゼノボットは細胞で構成されているために生き物 とも言えますが、機械のように人間が決めたプログラム以外の行動が一切行えません

全ての細胞は死に絶えるまで、なんの疑問も感じずに人間のプログラムどおりの動作を反復します。

この生物機械はバーモント大学で進化ロボティクスの研究をしているジョッシュ・ボンガード氏と、タフツ大学の生物学者マイケル・レビン氏らの研究グループが、1月13日、学術雑誌「PANS」にて発表しました。

A scalable pipeline for designing reconfigurable organisms
https://www.pnas.org/content/early/2020/01/07/1910837117

ゼノボットは生き物なのか? ロボットなのか?

ゼノボットはカエルの受精卵を分解したものを材料にして作られる/Credit:pixabay

ロボット工学者のジョシュア・ボンガード氏はゼノボットについて

「これらは、従来のロボットでも既知の動物種でもありません。これは人工の新しい区分です。つまり、プログラム可能な生命です」と述べています。

ゼノボットの細胞の遺伝子は疑いもなくカエルのものです。

名前の「ゼノ」の部分も、アフリカツメガエルの学名である「Xenopus(ゼノーパス)」からとられています。

ゼノボットの個々の細胞は生命活動を行っており、酸素を利用した呼吸をし、細胞内に蓄えた栄養を代謝し、最後は飢えて死にます。

ですが、ゼノボットの形は人工的に組み上げられており、カエルの面影は全くありません。

その行動も生身のカエルと違って、ゼノボットは人間が設定したプログラムに逆らうことはできません

唯一の存在理由は機械と同じく、人間の指示通り働くことなのです。

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