シュミレーション通りに組み立ててみた
次に研究者たちは、シミュレーションで得られたデザインの通りにカエルの細胞を配置することにしました。
配置に使う細胞はそれぞれカエルの胚から摘出した、皮膚と筋肉の2種類の幹細胞で、それらを極小のピンセットと、電極フィラメントのワイヤーを使用して切り出し、デザイン通りにそれぞれの細胞を再配置して、実際の運動を観察しました。
結果は大成功で、ゼノボットはシミュレーションの結果通りの動きを始めました。
さらに、ゼノボットの細胞は、人工的に組み合わされたにもかかわららず、本物の生物にみられるように相互に連携をはじめました。
皮膚細胞は他の細胞を支えるように働き、筋細胞の収縮はゼノボットを運動させるために協調して動き出したのです。
細胞の塊であるゼノボットには口が存在しないために栄養補給ができませんが、細胞のエネルギーが尽きて死ぬまで、最大1週間、水の中を動き回ることができます。
またゼノボットには高い再生力があり、ナイフで体長の半分にも及ぶ傷を与えられても、自己再生可能です。