小さい星なのに、固有の磁場がある謎
自転速度が遅いのに、水星は地球の1.1%にあたる比較的強い磁気圏を持っています。
地球や木星に磁場があるのは、硬い金属の核のまわりに液体金属が存在する外核があって、それらが流動して電流が生じ、磁場が形成されるからです。
水星は小さいので、形成後急速に冷えて中心の核も早く固まったため、核に液体部分を持たないと考えられ、つまり磁場はないと思われていました。
それが1970年代、探査機マリナーによって磁場があることが発見され、2002年からの電波望遠鏡による複数の観測や、探査機メッセンジャーの探査を経て、内部に液体部分があって固有の磁場があることがわかりました。また、地球ではほぼ中心にある「棒磁石」が中心から北にずれている新たな謎が見つかりました。
この謎の解明は、昨年九州大学が行ったばかり。中心核内部の磁場が自己調整機構によって対流をコントロールすることで、自発的に生成・維持されていると考えられるそう。地球と比較することで、両方の星の起源や進化について研究が促進しそうで楽しみですね。