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Credit: Pixaby
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あのコペルニクスも見たことがなかった!?水星の面白ポイントをふまえて観測に挑戦しよう

2024.11.25 Monday

水星の逆行が話題になっていますがって、水星の公転周期が早いため(約88日)地球と水星の公転周期の違いによっておきる、見かけ上の現象です。

これは年に3回ほど起きる現象なので、そこまで珍しいわけではないですが、星の運動の逆行というのは、地球と惑星の位置関係や運動について意識する良い機会になるので、観測に挑戦するのに面白いタイミングです。

とはいえ、水星は非常に観測が難しい惑星として有名です。星好きの人ですら「見たことがない」人が多いのです。

地動説を唱えたことで有名なコペルニクスですら、実は直接水星を観測したことがなかった、なんて逸話があるほど。

高度が上がらず、夜明けか日没後のわずかな時間しか見えないので、あらかじめベストな日時を調べておいて狙わないと、到底見ることがかなわない惑星なのです。

国立科学博物館 https://www.kahaku.go.jp/exhibitions/vm/resource/tenmon/space/mercury_venus/mrcvns03.html 九州大学(PDF) http://www.kyushu-u.ac.jp/f/34908/19_01_15_3.pdf

水星ってどんな星?

冬は空気が澄んでいて星が見えやすく、日の沈むのが早くて観測にのぞめる時間が長いため、普段は観測が難しい星も比較的見つけやすくなります。

こちらは筆者が2020年2月9日に撮影した、金星と並ぶ水星です。

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上にある明るい星が金星で、中央のビルの右斜め上にあるのが水星/Credit: ofugutan(2020年2月8日撮影)

水星の明るさは約マイナス0.4等級で、観測には十分に思えます。しかし、水星は太陽の明るさが残っている時間帯しか観測できず、空の低い位置に浮かぶので地球の大気の影響で、実際の明るさよりも暗く見えてしまいます。

しかし徐々に空が暗くなる一番見えやすいタイミングを見逃さないようにすれば、双眼鏡がなくても肉眼で見ることができます

中心にはさっき沈んだ太陽、太陽の周りをまわる、水星、金星、今立っている地球、と順番に公転軌道を円周でイメージしていくと、太陽系の一員として地球があって、その上に自分はいるのだなあと感慨深く感じられるはず。

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Credit: NASA

水星は太陽系でもっとも小さな惑星です。地球のおよそ5分の2ほどの大きさで、重力は約3分の1重さはたったの18分の1ほどしかありません。

いっぽう、太陽系の惑星のなかで地球の次に密度が高く、直径の3分の2から4分の3にもなる巨大な核があると考えられています。

英語名は「Mercury」。ギリシャ神話の世界を飛び回って情報を伝達する神々の使者、ヘルメス(Hermes)からきています。ローマ神話ではメルクリウス(Mercurius)で、英語だとMercuryになるわけです。

ヘルメスは神々のなかでもっとも賢く、すばしっこい神。水星は公転周期が短く、明け方や夕方のわずかな時間にしか見えない素早い動きから、その名を与えられました。

実は地球の1番近くにある惑星

太陽系の惑星の順番といえば、「水、金、地、火、木、土、天、海」。地球の隣は金星と火星です。金星のほうが火星よりも地球に近い軌道をまわっているので、一番地球に近いのは金星だと思ってしまいますよね。

ところが、それぞれの星はたえず公転しており、スピードもさまざま。一定の距離間をキープしているわけではありません。

水星は公転周期が短いので、頻繁に地球と近づきます。こちらの動画をご覧ください。各惑星の公転軌道の平均を見ると、水星は地球から一番近い星、といえるわけですね。

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青が地球、灰色が水星を表す/Credit: Tomment Section / YouTube

このように公転周期の速度もだいぶ地球と異なるため、地球から水星を観測すると年に3回逆行して見えるタイミングがあるのです。

次ページ地球とはいろいろ異なる水星の生活

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