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太陽系の外縁に新しく100個以上の小惑星を発見

2020.03.17 Tuesday

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Credit:depositphotos
point
  • 太陽系の端で、新たに139個の小惑星が見つかった
  • 暗黒エネルギーの調査は、遠くに位置する識別が困難だった惑星の発見に役立った
  • 現在進行している調査によって、さらに数百個もの惑星が見つかるかもしれない

太陽系には人間が観測できていない惑星がたくさんあります。特に、海王星よりも遠い位置にある太陽系外縁天体(TNO:trans-Neptunian objects)は発見しづらいものです。

太陽と地球の距離は「1天文単位(約1億5000万km)」とされており、「1au」と表記します。太陽から海王星までは約30auです。

TNOは地球と同じように太陽の周りを周回していますが、30au(45億km)以上離れた宇宙空間に点在していることになります。

当然、反射光も微量であり、発見が困難なだけでなく、他の天体(恒星、銀河、超新星)と見分けることも難しいのです。

しかし、最近、米国ペンシルベニア大学の物理学者兼天文学者のゲイリー・バースタイン教授らによって、100個以上の新たなTNOの発見が報告されました

これらの新しい惑星の発見には、暗黒エネルギーの調査プロジェクトが役立ったようです。

報告の詳細は3月10日、「The Astrophysical Journal Supplement Series」に掲載されました。

Trans-Neptunian Objects Found in the First Four Years of the Dark Energy Survey
https://iopscience.iop.org/article/10.3847/1538-4365/ab6bd8

暗黒エネルギーサーベイ(DES)の思わぬ副産物

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ブランコ望遠鏡(チリ)に設置されたダークエネルギーカメラ/Credit:darkenergysurvey

暗黒エネルギーサーベイ(DES:Dark Energy Survey)とは、宇宙を拡張させている暗黒エネルギーの謎を解明するための国際研究プロジェクトです。

DESは2013年8月から2019年1月まで行われ、現在では終了しています。

このプロジェクトでは、宇宙の膨張を計算するために、南天の5年半分の超新星や銀河団などの様々な天体と現象のデータを収集し、研究していました。

本来の目的とは異なりますが、DESによる調査の深さや精度の高さは、TNOを含む遠方の天体を発見するのに役立つことが分かりました。

この利点を生かし、バースタイン教授らの研究チームは、DESによって取得した最初の4年間のデータを分析。

その結果、316個のTNOを識別し、その内の139個はまったく新しいものだと判明したのです。

次ページ70億個の「点」から小惑星を識別する

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