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地球を襲う小惑星の軌道をそらせ! 強力イオンエンジンが準備完了 (2/3)

2020.03.30 Monday

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次世代の強力なイオンエンジン「NEXT-C」

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Credits: NASA

今回報告されているのは、そんなミッションの要となる次世代イオンエンジン「NEXT-C」がテストも完了し搭載準備が整ったという話題です。

探査機「はやぶさ」の推進システムもイオンエンジンを使っていますが、「NEXT-C」はNASAのNSTARイオンドライブなど従来のものよりも、3倍強力な推進システムだといいます。

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イオン推進の概念図。/Credit:Wikipedia Commons,朝彦

イオンエンジンでは、推進力を得るために、静電力(クーロン力)を利用しています。

電気的に中性なガスだと静電力が働かないため、エンジン内ではガスをプラズマ化させています。そこに電界を与えるとイオンが加速され、推進力となるイオンビームが放出されるのです。

こうしたエンジンの燃費効率には比推力(単位は秒)という値が使われます。これは単位質量の推進剤に対して、単位速度を持続させられる時間を表していて、要はそのエンジンがどれだけ効率よく長く飛行できるかという目安になります。

通常人工衛星や探査機に搭載されている化学推進では、比推力はおよそ300秒が限界とされています。

しかし、イオンエンジンでは、この比推力が3,000秒と一桁上の領域にあります。

さらに今回話題の「NEXT-C」の比推力は4,190秒と、さらに高い領域にあるのです。

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「NEXT-C」テスト成功後に、スラスタから電源処理ユニットを取り外している様子。/Credits: NASA/Bridget Caswell

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