飛び跳ねて移動するドローン
飛び跳ねて移動するドローン / Credit:Songnan Bai(City University of Hong Kong)_Adding a telescopic leg beneath a quadcopter to create a hopping drone(2024 Tech Xplore)
technology

6分の稼働時間を1時間に延長!「ぴょんぴょん跳ねる」ホッピングを装備したドローン

2024.04.17 Wednesday

幼稚園や小学校の時代に、「ホッピング」というバネを使った遊具で遊んだことがあるかもしれません。

香港城市大学(City University of Hong Kong)に所属するソンナン・バイ氏ら研究チームは、一般的なクアッドコプターを備えたドローンの下部にこの「ホッピング」を搭載されせたバージョンを開発しました。

「ホップコプター」と呼ばれるこのドローンは、通常通り空を飛ぶことができるだけでなく、飛び跳ねながら移動できます。

これにより加速度の急激な増加や、急旋回が可能になった他、消費電力を節約できるようになり、ドローンの「飛行時間が短い」という欠点も補えたという。

この新しいドローンは、非常に小型でありながらホッピング機能を使えば、1時間近くも跳び続けることができるようです。

研究の詳細は、2024年4月10日付の科学誌『Science Robotics』に掲載されました。

Adding a telescopic leg beneath a quadcopter to create a hopping drone https://techxplore.com/news/2024-04-adding-telescopic-leg-beneath-quadcopter.html Video: Ultra-efficient flying pogo robot bounces around on its tail https://newatlas.com/drones/hopcopter-hopping-drone/
An agile monopedal hopping quadcopter with synergistic hybrid locomotion https://doi.org/10.1126/scirobotics.adi8912

ドローンの欠点を補うホッピング付きクアッドコプター

ドローンの課題は「飛行時間」
ドローンの課題は「飛行時間」 / Credit:Canva

ドローンには、野生動物や農作物の監視、捜索救難など、幅広い分野で活躍する可能性が秘められています。

しかし、いつも「飛行時間」の課題が付いてまわります。

サイズが大きい産業ドローンであっても20~30分しか飛べず、コンパクトなホビードローンだと、わずか10分の間すら飛び続けることができないのです。

ソンナン・バイ氏ら研究チームは、この課題に取り組むために、「ホッピング」に着目しました。

その場でジャンプしたり前進したりできる「ホッピング」
その場でジャンプしたり前進したりできる「ホッピング」 / Credit:Canva

ホッピング(またはポゴスティック)とは、バネが付き棒に足場と取手がある遊具のことであり、ぴょんぴょん飛び跳ねながら前進できます。

「子供のころホッピングで遊んだことがある」という人も多いでしょう。

新しいドローンは、4つのプロペラで飛ぶ一般的な「クアッドコプター」の下部に、このホッピングを装備しています。

ゴムによる「ホッピング」を装備したドローン
ゴムによる「ホッピング」を装備したドローン / Credit:Robotics and Intelligent Systems Lab, CityU HK(YouTube)_An Agile Monopedal Hopping Quadcopter with Synergistic Hybrid Locomotion(2024)

これにより、通常通り空を飛ぶだけでなく、飛び跳ねながら前進することができるのです。

この新しいドローンは、「ホップコプター(Hopcopter)」と呼ばれており、従来のドローンと比べて、消費電力を大幅に削減できます。

飛び跳ねることでバッテリー電力を節約できる
飛び跳ねることでバッテリー電力を節約できる / Credit:Robotics and Intelligent Systems Lab, CityU HK(YouTube)_An Agile Monopedal Hopping Quadcopter with Synergistic Hybrid Locomotion(2024)

高く飛び上がる際には、電力でモーターを回転させる必要がありますが、そこから地面に落下・衝突し、バネの力で反発する際には、モーターの使用はほとんどありません。

反発の際、ドローンは足の角度を調整することができるため、同じ場所で飛び跳ねるだけでなく、意図した進行方向へ前進することも可能です。

これによりかなりトリッキーな挙動で動き回ることができ、急激な加速と急旋回も可能になりました。

そして何より驚くべきはホッピングを併用したことによる稼働時間の延長です。

小型のドローンではこれまでありえなかった、その挙動について次項で見ていきましょう。

次ページ6分しか保たないバッテリーで1時間跳ね続ける「ホップコプター」

<

1

2

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

テクノロジーのニュースtechnology news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!