卵子と出生率の数学シミュレーション
この問題を解決するために、今回の研究チームは、妊娠した女性の双子と単一の出産、それぞれにおける出生後の母子生存率のデータを使用して、数学モデルを作成しました。
このモデルの作成によって、研究者たちはこれまで不可能だった検証ができるようになりました。
それは、女性の年齢と二重排卵の関係から期待される生涯の繁殖成功率のシミュレーションです。
現在わかっている事実から、女性は高齢化するほど二重排卵を行う可能性が高くなります。そこで、研究者たちは、20代半ばから二重排卵に切り替えた場合と、常に1つの排卵しかしない場合、常に二重排卵を行う場合の3つのパターンで、生涯の子供の数がどう変わるかを比較しました。
すると、二十代半ばに単一の排卵から二重の排卵に切り替えた女性がもっとも多く子供が生存するという結果になりました。
常に単一排卵しかしなかった場合は当然子供の数は少なく、常に二重排卵を行った場合も健康リスクの問題から子供の生存率は低い結果になりました。
つまり、女性が高齢になるほど出産や受精の成功率は下がる傾向にあります。
卵子が2つあれば、少なくとも1つは出産に繋がる可能性が高くなります。年齢の上昇に従って女性の二重排卵が増えるのは、こうした生存戦略と言えるのです。
では双子が生まれるという問題についてはどうでしょうか?