どうすればネコの狩りを減らせるのか?
絶滅に瀕した在来種の多いオーストラリアではこうしたネコの狩りが問題となっています。
しかし、日本の都市部ではネズミなどの害獣に悩むことが多く、ネコはそうした害獣駆除に一役買っている側面もあります。なので、そこまで積極的にネコの狩りを防ぐ必要はないかもしれません。
とはいっても、自分のネコが外で動物を殺しているという事実は、あまり気分のよいものでもないでしょう。
では、どうすればネコの狩りは防げるのでしょうか?
良質な餌を上げたり、肉を多めに与えてあげればネコは狩りをしなくなるという俗説が存在しますが、これは正しい情報ではありません。ネコは空腹かどうかに関わらず狩りを行います。
ネコジャラシに飛びつく姿を見ていれば分かる通り、ネコは食事のためというよりも、遊びで狩りを楽しみます。餌が十分でもネコの狩りは止められないのです。
童話にある通り、鈴の付いた首輪をつけるというのはネコの狩りを妨害する効果があります。しかしこのアイテムは狩りの成功率を下げるだけで、ネコの狩猟行為自体を防ぐわけではありません。
もっとも有効な唯一の対策は、ネコを24時間家の中にしっかり閉じ込めておくことです。
自由にさせたいという飼い主もいるかもしれませんが、米国動物愛護協会の調べでは、交通事故なども含めると、室内飼いのネコは、放し飼いのネコに比べて4倍長生きすると報告されています。
ネコは室内で飼って外に出ないようにするのが一番のようです。
目の前のネコは、可愛いだけではなく有能なハンターなのだということを忘れないようにしましょう。
この研究は、オーストラリア国立大学のSarah Legge氏を筆頭とした研究チームより発表され、野生動物の生態学や保護を扱う学術雑誌『Wildlife Research』に4月20日付けで掲載されています。