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古代ギリシアでは「クモ糸」が絆創膏に使われていた!? 現代医療にも通ずる万能素材

2020.06.24 Wednesday

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Credit: jp.depositphotos

クモの糸は、クモのお腹の中にある特殊な液体からできています。お尻の先から噴出された液体が、空気に触れることで糸になるのです。

またクモは、質の異なる数種類の糸を使い分けており、それぞれ強度や柔軟性、粘着性がまったく違います。

例えば、クモの巣は、獲物のトラップになる粘着性の高い糸や自分の足場に用いるベタつかない糸などが組み合わさってできています。

クモ自身は、足場だけを歩くので、自由に巣の上を行き来できるのです。

近年、このクモ糸が、自然界の万能素材として注目されており、医療やエンジニアへの応用が期待されています。

クモ糸は古代ギリシアの絆創膏だった⁈

クモの糸は大昔からすでに、出血や感染を防ぐ効果があるとして、医療用に使われてきました。

例えば、古代ギリシアでは、外傷を負った兵士の絆創膏として使われたのです。現代のような医療器具を持たないギリシア兵士たちは、蜂蜜と酢を混ぜた液体で傷口を消毒し、その上にクモの網を貼り付けて止血をしました。

また、傷口に塗り込む形でクモ糸を使ったりもしたのです。

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無茶な応急処置に思えますが、近年の研究では、クモ糸が傷口を覆うドレッシング(創傷被覆)材として有効であることが証明されています。

英・オックスフォード大学の実験では、クモ糸から作ったドレッシング材が、ホスト動物の体組織に拒絶反応を起こすことなく融合しました。また、人体にもアレルギー反応や炎症反応を起こすことなく、生物適合性に非常に優れていることが分かっています。

この特性と現代の技術を組み合わせることで、絆創膏のように後で取り外す必要がなく、自然に皮膚組織に溶け合うドレッシング材の開発が期待できます。

さらに、クモ糸に抗生物質を混ぜることで、治癒性の高いドレッシング材を作ることも可能でしょう。

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