鉄の強度を持つクモ糸からインプラントを作る
クモ糸は、強度や柔軟性などの外部特性にも優れています。
研究によると、クモ糸の内部には特殊なタンパク質構造があり、これが外部圧力への耐性や柔軟性へと繋がっていました。また、クモ糸は、同じ重量で比較すると鉄の強度を上回るのです。
それでいて柔軟性に長けているため、加工も自由自在。現在では、クモ糸を使ったヘルメットや乗り物の機材、身体に埋め込む生体インプラントの開発も進められています。
一方で、クモ糸の大量生産が難しいという問題点もあります。
クモは自分の糸を食べて再利用したり、毎日のように新しい糸を紡ぎ出せるので、糸の生成そのものは難しくありません。
しかし、糸の採取は、手作業で1本ずつ集めなければならず、また共食いの可能性もあるため集団飼育もできないのです。
こうした難点を解決できれば、「クモ糸軟膏」や「クモ・バンドエイド」といった商品が店頭に並ぶ日もそう遠くないかもしれません。
最新の科学技術やおもしろ実験、不思議な生き物を通して、みなさんにワクワクする気持ちを感じてもらいたいと思っています。
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