遠方銀河の詳細な観測
今回と同じように、120億光年を超える距離で大規模な回転円盤を発見したという研究は、2020年5月にも報告されています。
そのときの観測では、クエーサーの吸収光から銀河の水素ガスの存在を発見していて、回転銀河の詳細をはっきり見ることはできませんでした。
「SPT0418-47」の発見はそうした研究に続くものですが、今回の観測では、重力レンズ効果を利用することで、非常に詳細に初期宇宙の回転銀河の姿を明らかにしています。
発見された銀河は重力レンズ効果によって、ほぼ完璧な光の輪になっています。形は歪んでしまっていますが、研究者たちはこれを解析して本来の姿へ戻すことができます。
この画像は撮影された銀河のガスの動きを表示したものです。青い部分は青方偏移を起こしている領域で、つまりは地球に向かって回転していることを示しています。
赤い部分は赤方偏移が確認される領域で、つまりは地球から遠ざかるように動いていることを示しています。
これを元に画像を再構成すると、「SPT0418-47」が中心に膨らみをもった円盤銀河であり、回転していることがわかったのです。