奇妙な天体 マイクロクエーサー「SS 433」
ガス雲と同期したブラックホールは、「SS 433」という地球から約1万5000光年ほど離れた場所にあるマイクロクエーサーの中心核です。
マイクロクエーサーとは、その名の通りミニチュア版クエーサーというべき奇妙な天体で、本来は、はるか遠くの宇宙にあり太陽の何億倍もの質量を持ちます。
しかし「SS 433」は天の川銀河内にあり、クエーサーによく似た特徴を持っているにも関わらず、質量は太陽のたった10~20倍程度しかありません。
それなのに「SS 433」がクエーサーに似ていると言われる理由は、活動銀河核のように多量の物質を巻き込んだ降着円盤を持ちジェット噴射を行っているからです。
ジェット噴射の明確なメカニズムはまだわかっていませんが、「SS 433」のジェット噴射の原因は伴星にあるようです。
「SS 433」は伴星に太陽の30倍の質量を持つ超巨星を連れています。両者は非常に接近した軌道を持っていて13日周期で軌道を回っています。
この伴星の物質を排水口の渦巻きのように吸い上げて、「SS 433」はコンパクトながらジェットを備えた降着円盤を持っているようです。