「チェック柄」も効果あり!
研究チームは、着陸失敗の原因がアパーチャ効果にあるかどうかを確かめるため、異なる模様がプリントされた布をウマに着せて調査しました。
用意したのは、「黒色」「灰色」「縞模様(縦縞と横縞)」「チェック柄」の5パターンです。
その結果、黒色と灰色には普通に着地していたものの、縞模様とチェック柄への着地成功率はかなり低くなることが判明しました。
また、縞模様とチェック柄の場合、ハエは黒色や灰色のときほど近づくことができず、見えないバリアに遮られているようでした。
すると、縞模様やチェック柄の服を着るだけでハエ除けになるのかもしれません。
「アパーチャ効果」が原因ではなかった
しかし、これでハエの着地失敗がアパーチャ効果のせいではないことが証明されました。
というのも、アパーチャ効果を縞模様だけに特有の錯覚であり、チェック柄では起こりません。もしアパーチャ効果が原因なら、チェック柄には着地できるはずです。
「とすると、何か他の要因が目に見えないところで働いているのでしょう」と研究チームは指摘します。
それが何かは分かりませんが、現段階では、縞模様やチェック柄に見られる「模様(パターン)のコントラストの強さ」が関係していると見られています。
ハエやブヨは、主にアフリカでウマ科の動物に致死的な病気を伝染させています。
中でもシマウマは、縞模様の他に、絶えず尻尾を振ったり、虫が嫌がる臭いを放ったりして、特にハエ除けを徹底しています。それだけシマウマがハエの媒介する病気に苦しんでいるということです。
研究チームは今後、ハエ除けに効果的な模様やそのメカニズムを解明することで、動物保護や家畜産業などに役立てていく予定です。