従来型コンピュータの限界
これまで既存のコンピュータを用いて、多くの化学反応シミュレーションが行われました。
しかし化学反応に参加する原子や分子が増えるたびに計算は指数関数的に複雑になります。
そして悲しいことに、現在のコンピュータには、そのような爆発的な複雑さの上昇についていくことが厳しくなってきています。
一方、量子コンピュータにとって計算量の増加はそれほど苦にはなりません。
量子ビットを1つ増やすごとに処理能力が2倍になるため、適切なアルゴリズムを用いれば、計算能力もまた爆発的な増加が見込めるからです。
今回の研究で使われたSycamoreは54量子ビットを備えており、2の54乗個の演算を並列計算により同時に行うことが可能です。