サッカーボール型発電機「ソケット」
サッカーボール型発電機「ソケット」 / Credit:Da Vinci TV
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キック力を電気に変換するサッカーボールが、子どもたちの未来を明るくする

2020.10.10 Saturday

発展途上国などの一部の地域では電力が非常に貴重です。そもそも家に電気がひかれていないため明かりがなく、子供たちが夕方以降読書したり勉強したりすることさえ難しいでしょう。

発明家また起業家であるジェシカ・O・マシューズ氏は、そのような地域の子供たちに光を提供するため、発電できるサッカーボール「ソケット(英: soccket)」を開発しました。

ソケットは通常のサッカーボールとして利用することで発電・貯蔵できるため、夜間の明かりを提供する携帯用電源として活躍します。

thekidshouldseethis https://thekidshouldseethis.com/post/soccket-energy-generating-soccer-ball-video

「最も有望な女性起業家」がナイジェリアの子供たちのために発明する

ジェシカ・O・マシューズ氏
ジェシカ・O・マシューズ氏 / Credit:Da Vinci TV

マシューズ氏はナイジェリア系米国人であり、米国とナイジェリアの二重国籍者として育ちました。

そしてナイジェリアの小さな村を訪れた際に出会った子供たちから発明品の着想を得たようです。

彼女が出会った子供たちは厳しい生活条件の中で過ごしています。特に夜は電力源が無いため、明かりをつけて勉強できません。もちろん、ろうそくによって明かりを灯すこともできますが、持続性はなく勉学に集中するのは難しいでしょう。

しかし、そんな厳しい環境でも、子供たちは昼間幸せそうにサッカーをして遊んでいたとのこと。

サッカーを楽しむ子供たち
サッカーを楽しむ子供たち / Credit:Da Vinci TV

これらを注意深く観察したマシューズ氏は、この2つの側面を結び合わせた発明品を思いついたのです。

それがサッカーボール型発電機「ソケット」です。

2008年に初めて開発されたソケットは、改良が重ねられていきました。マシューズ氏がCEOを務める会社UnchartedPowerによって多くのソケットが製造されており、2017年の時点で既に50万個のソケットがアフリカやラテンアメリカなどの発展途上地域で使用されるようになったのです。

マシューズ氏はその功績から2011年にはビジネス誌フォーチュンの「もっとも強力な女性起業家10人」に選ばれ、2015年にも「最も有望な女性起業家」として指名されました。

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