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ジャスティン・オーベル・シュミット/ Credit: en.wikipedia
biology

生涯で150種以上の虫に刺されてきた男

2026.02.25 22:00:56 Wednesday

「撃たれたような痛み」と聞いて、あなたは何を想像するでしょうか。

それを比喩ではなく、本気で体験し続けた科学者がいます。

アメリカの昆虫学者、ジャスティン・オーベル・シュミット(1947〜2023)です。

彼は研究人生の中で、150種以上の昆虫に刺されてきました。

しかもその多くは、科学のためでした。

Justin Schmidt Was Stung By Over 150 Species In His Career. Weirdest Of All, It Was On Purpose https://www.iflscience.com/justin-schmidt-was-stung-by-over-150-species-in-his-career-weirdest-of-all-it-was-on-purpose-82604

7歳の“実験”から始まった痛みの研究

シュミットが初めて「刺し傷の実験」を行ったのは7歳のときです。

タンポポに止まっていたセイヨウミツバチをつまみ上げ、近くにいた担任教師の腕に乗せました。

「刺すかもしれない」という仮説は見事に的中します。

もちろん、先生にとっては迷惑な結果でした。

そこから彼は自分自身の体を実験台にします。

アメリカ北東部のアパラチア地方で育った彼は、子ども時代に数多くのハチやスズメバチに刺されました。

その経験から、あることに気づきます。

どの刺し傷も痛いが、痛みの「質」が微妙に違うということです。

決定的だったのは、クロナガアリ(Harvester ant)の群れに偶然遭遇したときでした。

それまでの刺し傷とは明らかに違う、予想外の激痛だったのです。

彼はその痛みを「大胆で容赦ない。誰かが巻き爪をドリルで掘り進めているようだ」と描写しました。

この違いはなぜ生まれるのか。

刺し方はどのように進化したのか。

その疑問が、彼を昆虫学、そして化学生態学の道へと進ませました。

次ページ自らの身体で作られた「痛みの地図」

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