7歳の“実験”から始まった痛みの研究
シュミットが初めて「刺し傷の実験」を行ったのは7歳のときです。
タンポポに止まっていたセイヨウミツバチをつまみ上げ、近くにいた担任教師の腕に乗せました。
「刺すかもしれない」という仮説は見事に的中します。
もちろん、先生にとっては迷惑な結果でした。
そこから彼は自分自身の体を実験台にします。
アメリカ北東部のアパラチア地方で育った彼は、子ども時代に数多くのハチやスズメバチに刺されました。
その経験から、あることに気づきます。
どの刺し傷も痛いが、痛みの「質」が微妙に違うということです。
決定的だったのは、クロナガアリ(Harvester ant)の群れに偶然遭遇したときでした。
それまでの刺し傷とは明らかに違う、予想外の激痛だったのです。
彼はその痛みを「大胆で容赦ない。誰かが巻き爪をドリルで掘り進めているようだ」と描写しました。
この違いはなぜ生まれるのか。
刺し方はどのように進化したのか。
その疑問が、彼を昆虫学、そして化学生態学の道へと進ませました。




























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