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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
biology

新種の巨大ウイルス「フルティヴォウイルス」を神奈川から発見

2026.05.28 12:00:56 Thursday

川の水をすくって調べると、そこには目に見えない小さな生き物たちの世界が広がっています。

しかし今回、神奈川県鎌倉市を流れる稲瀬川の淡水から見つかったのは、普通のウイルスのイメージを大きく超える存在でした。

東京理科大学大学院の研究チームは、新種の巨大ウイルス「フルティヴォウイルス」を発見したと報告しました。

このウイルスは、単細胞アメーバに感染する巨大ウイルスであり、宿主細胞の核膜を崩壊させながら、核の内部でウイルス粒子を形成するという独自の増殖戦略を持っていました。

研究の詳細は2026年5月14日付で学術誌『Journal of Virology』に掲載されています。

新種の巨大ウイルス「フルティヴォウイルス」を神奈川県鎌倉市の淡水から発見 ~新しい「科」の創設と、新しい高次分類群「目」の提唱~ https://www.tus.ac.jp/today/archive/20260526_4546.html
Refining a giant virus lineage: a novel order unifying Mamonoviridae and “Manesviridae,” unveiled by the discovery of furtivovirus https://doi.org/10.1128/jvi.02031-25

鎌倉の川から見つかった巨大ウイルス

ウイルスというと、多くの人は「とても小さく、単純な病原体」を思い浮かべるかもしれません。

しかし巨大ウイルスは、その名の通り、通常のウイルスとは桁違いに大きなゲノムや粒子サイズを持つウイルス群です。

中には、ウイルスというより小さな細胞に近いような複雑さを備えたものもあり、近年では生命進化を考える上でも注目されています。

今回、研究チームは神奈川県鎌倉市の稲瀬川から採取した淡水サンプルを調べ、単細胞アメーバの一種であるヴェルムアメーバに感染する新種の巨大ウイルスを分離しました。

【発見された巨大ウイルスの画像がこちら

このウイルスは、最初から堂々と見つかったわけではありません。

スクリーニングの過程で、サンプル中にいた別のウイルスであるファウストウイルスの感染の陰に、こっそり隠れるように存在していたのです。

そのためチームは、ラテン語で「隠れた、こっそりとした」を意味する「furtivus」にちなみ、この新種を「フルティヴォウイルス」と名づけました。

ゲノム解析の結果、フルティヴォウイルスは全長56万176塩基対の線状二本鎖DNAを持ち、656の推定コード配列を含むことが分かりました。

さらに、タンパク質共有ネットワーク解析、系統ゲノム解析により、フランスで2021年に発見されたクランデスティノウイルスと近縁であることも示されました。

ただし、この研究の面白さは「新種を見つけた」という点だけにありません。

本当に奇妙だったのは、このウイルスが宿主の細胞核をどのように利用して増えるかでした。

次ページ核膜を壊しながら、核の中で粒子を作る

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