今日の犬種は5タイプの古代イヌから生まれた
今日の犬種は5タイプの古代イヌから生まれた / Credit: sciencemag
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古代イヌのDNAから「元祖・5タイプの犬種」を特定!急増した犬種のルーツにせまる

2020.10.31 Saturday

イヌは私たちが最も古くから共生する動物であり、今日では700種以上の犬種が存在します。

一方で、人類がいつ、どこで、どのようにイヌの家畜化を始めたかは定かでありません。

科学者の国際研究チームはこのほど、古代イヌ27種のDNAを分析したところ、最終氷期の終わり頃、約1万1000年前にはすでに5種類の犬種が存在したことを特定しました。

さらに、犬種の多様化は人類の移動と深い繋がりがあったようです。

研究は、イギリスのフランシス・クリック研究所、オックスフォード大学、オーストリア・ウィーン大学らが参加し、10月30日付けで『Journal Science』に掲載されました。

phys https://phys.org/news/2020-10-ancient-dog-dna-canine-diversity.html , inverse https://www.inverse.com/science/ancient-dog-dna-reveal

現代のイヌはすべて「5タイプの犬種」に起源を持つ

研究チームは、古代イヌ27種の骨からDNAを採取し、ゲノム配列を決定した結果、1万1000年前までに存在した5タイプの種を特定しました。

以下がその名称と分布場所です。

・ネオリシック・レヴァント(今日のイスラエル、ヨルダン、パレスチナ)

・メソリシック・カレリア(今日のロシア)

・メソリシック・バイカル(今日のシベリア)

・エンシェント・アメリカ(今日の北アメリカ)

・ニューギニア・シンギングドッグ(今日のニューギニア島)

研究主任のポントス・スコグランド氏は「イヌは、最終氷期の終わり頃には北半球全土に広がっていましたが、それらはこの5種に集約されるはずです。現代の犬種はすべて、この5種の進化および交配によって誕生したでしょう」と指摘しています。

また、5種をさかのぼれば、特定のオオカミにたどり着くと見られます。

約1万年前の古代イヌ(左)、ロシアに分布する今日のオオカミ(右)
約1万年前の古代イヌ(左)、ロシアに分布する今日のオオカミ(右) / Credit: E.E. Antipina

この発見は、犬種の多様化の始まりが、人類がまだ狩猟採集者だった頃に起源を持つことを示唆しています。

それでは、5タイプのイヌはどのように多様化していったのでしょうか。

次ページイヌの多様化は”人類の移動”と連動していた

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