柔軟な道具「知識の図書館、創造、計画」
さて、知能にはさらに難しく幅広い課題を解決するための柔軟な道具も含まれます。
その1つが「知識の図書館」です。これは基本的な道具である記憶や学習を1つの本として収集し、理論的に組み合わせたものです。
例えば、ある人が電柱に初めて登ろうとしたとき、知識の図書館から関連すると思われる「木登りの際の手足の使い方」と「コンクリート素材の知識」をそれぞれ取り出します。
そしてそれらを組み合わせることで簡単に電柱を登れるようになるでしょう。
また柔軟な道具には、「知識の図書館」を超越した道具も存在します。それが「創造」です。
「知識の図書館」が関連したものを組み合わせるのに対し、創造は明らかに関連性の無いものから、新しくて価値あるものを生み出すのです。
この創造には道具を使うことも含まれます。
例えばこれまで木の実を取るために木登りしていた人が、「近くにあった長い棒で木の実を落とす」という新しい方法を生み出すような場合です。
そして知能に含まれるさらに高次元な能力は「計画」です。これは課題を解決するための目標を定め、そのために必要な活動を考えることを意味します。ただそこにあるものを利用するのではなく、準備するのです。
例えば計画する人は、お腹が空いた時にその都度木の実を取るわけではありません。あらかじめ簡単に木の実を取れる道具を探して、数日分の木の実をまとめて取ります。
そしてそれを保存しておき、お腹が空いたときにすぐに食べられるようにするのです。