涙の効果を探る実験
研究者たちが考えたのは、涙の存在が顔にあるとき、人の注視行動にどのような影響があるのかということでした。
人の視線がどこを向いているかを調べるアイトラッカーという機器がありますが、これを用いると、人の関心や興味がどこに向いているかを明らかにすることができます。
これは主に、心理学や認知科学などの研究で利用されています。
そのため、アイトラッキングの調査から涙の機能を構築できるのではないかと研究チームは考えたのです。
研究には、30人の女子大学生の顔画像をサンプルとして用いました。
実験は彼女たちの顔画像のセットを被験者に提示し、視線パターンと感情的な強さ、誠実さなど印象の評価を行っています。
しかし、ここでは泣いている顔画像の涙は、デジタル処理によって削除しています。そして、逆に強い感情表現のない表情には、涙を描き足してみたのです。
また、画像には1行のセリフが添えられています。たとえば「私は浮気はしていません!」のようなものです。
被験者はそのセリフとともに画像を見て、感情の強さや、付随する発言に対する誠意の印象について評価を行ってもらいました。
被験者にはみな、アイトラッカーを装着しており、このときの視線パターンも同時に取得しています。
最後に、被験者の人格的特性が視線パターンに影響しているか調べるため、認知的共感性とパーソナリティ障害に関するテストを受けてもらい実験は終了です。
この実験の結果は、どうなったのでしょうか?