かいぼりの「池干し」には水をきれいにする作用がある
「かいぼり」とはもともと農作業が終わる冬にため池から水を抜き、一定期間干して「清掃」をおこなう作業のことです。
みなさん、汚れた池って「緑色」というイメージがあると思いますが、何の色か知ってますか?この緑色の原因は、主に夏場発生する植物プランクトンなんです。
水中に窒素やリンなどの栄養分が多く含まれている状態を「富栄養化(ふえいようか)」といいますが、この富栄養化が進むと植物プランクトンが大量発生し、緑色の水の原因になります。
さらに富栄養化が進行すると、水面に藻類が浮かぶ「アオコ」という現象が起こります。汚れた池の独特な臭いはこのアオコだったのです。また水中の酸素を大量消費するので池の生き物たちも困らせてしまいます。
そしてアオコ発生の原因は富栄養化ですから、窒素やリンを取り除けば水はきれいになるはずです。
窒素やリンは池の底の泥に含まれ、泥から水に溶け出すことで富栄養化を引き起こします。池の底の泥を乾燥させると、細菌などのはたらきによって窒素が空気中に逃げ、リンは水に溶け出しにくくなります。よって水を抜くことで水がきれいになるのです。
石神井池では、3月下旬までこの池干しを経て水が溜まっていく様子を楽しむことができます。感染対策をしっかりして、ぜひきれいになった石神井池を訪れてみてくださいね!