意外にも開花は昼にスタート
ムーンフラワーは、ブラジルの熱帯雨林に自生する夜行性のサボテンで、「ムーンライト・カクタス(月光サボテン)」とも呼ばれます。
同園は2015年に、ドイツのボン植物園から種子を購入し、数年かけて育てていました。
ムーンフラワーは、近くの樹木を支柱にしてツタのように絡まりながら成長します。
今回も隣接するシログワイの木をつたって約3.5メートルの高さまで成長し、細長いツボミをつけました。
ところが、予想外なことに、開花は20日の昼午後3時から始まりました。
植物園長のべヴァリー・グローヴァー氏は「ムーンフラワーは通常、日没から日の出にかけて開花しますが、花にはそれぞれのタイミングがあるので、それほど驚きはありません。
今回は、ライブストリームのために照明を当てていたので、それが開花リズムに影響した可能性もある」と話しています。
花は午後5時頃に完全に開花し、最大直径15センチ、花の長さは28センチに達しました。
翌21日の深夜3時頃には、すでに花はしぼんでいます。
その一部始終をまとめた映像がこちら。
花は12時間しか咲かないため、その間にできるだけ早く昆虫に花粉を運んでもらう必要があります。
そのせいか、花からは昆虫を惹きつけるための香りがかなり強かったそう。
匂いの変化も早く、最初は甘く心地よいものでしたが、すぐに酸っぱく不快な匂いに変わったとのことです。
園内には送粉用の昆虫がいないので、スタッフがブラシを使って受粉を手伝いました。
しかし映像を見ると、花にとまる虫の姿も見えます。
サマーズ氏は「園内のコレクションにムーンフラワーが加わるのはとても喜ばしいことです。今後も、毎年開花させられるようにしていきたい」と述べています。