実験内容「記憶するだけなら意識も注意も努力も必要なし」
純粋な視覚情報の記憶に「意識」は必要なのか?
謎を解くために研究者たちは普通のサルと、「報酬系」を電気刺激したサルに対してさまざまな作業を同時並行でおこなわせました。報酬系とは快楽を感じる脳の回路のことです。
そしてさまざまな作業をしているサルの視界に「ぼやけた人型」の画像を提示しました。
これは人間で例えるならば、スマホで通話やメールをしているときに、急に突きつけられた画像を記憶するのと同じです。
結果、普通の状態のサルは作業に忙殺され、画像を記憶できませんでしたが、快楽の回路を刺激されているサルは画像を覚えることができました。
この結果は、快楽を感じているときは意識や努力を必要とせずに視覚情報を自動で保存できることを示します。
また作業後のサルの脳の状態をスキャンした結果、快楽を得ていたサルの脳は血流が増加し、より活発に働いていたことが示されました。