成長し分裂する人工生命体を開発!
無から生命を作る生命創造は、生物学者の長年の夢でした。
近年の合成生物学の進歩は、生命創造を人間でも可能な技術に置き換えています。
5年前、研究者たちは473個の遺伝子を持つDNAを合成し、抜け殻となった細胞の内部に注入して人工生命体「JCVI-syn3」を創り出すことに成功しています。
合成された473個の遺伝子は生命の成長と分裂に必要な要素を厳選したものであり、人工生命体「JCVI-syn3」は増えることのみを目的とした存在だといえました。
しかし増殖実験を行った結果「JCVI-syn3」は不完全であることが判明します。
細胞分裂が正確ではなく、分裂してできた細胞が奇形になってしまったのです。
原因は、遺伝子数の不足でした。
厳選された473個の遺伝子は、細胞の成長と分裂に必要な遺伝子を網羅したはずでしたが、失敗という結果は、人類がまだ知らない未知の遺伝子が細胞分裂には必要であることを示しました。
そこで今回、研究者たちは再度、遺伝子の厳選作業を行い、新たに19個の遺伝子を追加した最新の人工生命体「JCVI-syn3A」を作ることに成功しました。
最新型は、正常な細胞分裂をおこなえたのでしょうか?