露出度の高い女性には共感しにくい
露出度の高い女性には共感しにくい / Credit:Depositphotos
psychology

露出の多い女性に対して人間は共感能力が低下してしまう

2021.04.24 Saturday

女性への暴力やセクハラは、女性に対する共感能力の低下から生じます。

「自分の言動で相手は嫌がるだろう」「相手は今とてもつらいはずだ」などと十分考えられないのです。

では共感反応が低下する要因にはどんなものがあるのでしょうか?

ポルトガル・リスボン大学に所属する生物物理学者カルロッタ・コゴニ氏ら研究チームは、露出の多い女性に対して人間の共感反応は低下すると発表しました。

研究の詳細は、2020年10月1日付けの学術誌『Cognition and Emotion』に掲載されました。

People show reduced empathy toward sexualized women, study finds https://www.psypost.org/2021/04/people-show-reduced-empathy-toward-sexualized-women-study-finds-60466
Reduced shared emotional representations toward women revealing more skin https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/02699931.2020.1826409

相手の気持が想像できる?

コゴニ氏ら研究チームは、以前から性的対象化した女性に対する人々の見方を研究してきました。

以前の研究では、MRI検査によって、露出度の高い女性(性的対象化されやすい)に対する人々のの状態変化を調査しました。

その結果、露出度の高い女性に対しては、脳の共感を司る部分が活性化されにくいと判明

露出度の高い女性に対する共感反応を調べる
露出度の高い女性に対する共感反応を調べる / Credit:Depositphotos

この結果を受けて研究チームは、脳だけでなく人々の認知・感情プロセスにも同様の変化が起こるか実験することにしました。

つまり単純に脳の反応だけでなく、人々が実際に「露出度の高い人には共感できない」と感じているか調べたのです。

新しい研究に参加したのは、170人の男女です。彼らは2回の画像実験に取り組みました。

1回目の実験では、コンピュータ画面に、心地よいと感じる対象物(例:ふわふわとした羽)、どちらでもない中立の対象物(例:木の枝)、不快に感じる対象物(例:クモ)の画像をそれぞれ表示。

参加者は表示された画像を見ながら、左手で同じような対象物を触りました。

その後、参加者は触った感触がどの程度心地よいか、あるいは不快かを評価。

2回目の実験では、同じ画像が表示されますが、触るのは被験者本人ではなく別の人です。

この代わりに触る人は女性のマネキン、露出が多く性的な服装をした実在女性、露出の少ない実在女性のいずれかでした。

そして参加者は、それぞれの代わりに触った人がどんな感情を抱いたか想像するよう求められました。

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